所在地 兵庫県宝塚市小浜町
交 通 ＪＲ宝塚線宝塚下車２ｋｍ
車 中国自動車道宝塚Ｉ・Ｃ １ｋｍ
 |
★小浜宿は、歌劇や温泉で有名な宝塚市の中心部にあります。武庫川支流の大堀川が舌端状に蛇行する先端部に建設された自然地形を要塞として利用した昔の防衛都市です。小浜は、本願寺を拠点として近畿一円で展開された、真宗教徒による寺内町でしたが、豊臣秀吉によって石山本願寺が攻略され、その使命を失いましたが、江戸時代に入ると交通の要所としての地位は高まりました。ここは、有馬街道、西宮街道、京伏見街道が、丹波の入口にあたるこの地で交差します。徳川幕府は、街道を整備し、駅宿制度を充実させる為、この交通の要所を天領（幕府直轄領）としました。 |
 |
小浜寺内町の核となるのが“毫摂寺”（通称小浜御坊）です。寺の建立年代は不明ですが、応仁・文明の乱で焼けた京都本願寺の高僧・善秀が明応年間に（１４９２〜１５００）小浜庄を開いた事が「摂津群談」に記されています。
★小浜寺内町の空間構造（町割り）は、文政十年（１８２７）の古地図と現状とで大差ありません。大堀川で囲まれた全体の2/5程度を農園として取り込んでおり、これは、自立都市として食糧の自給を計ったものであろうと推測します。政治の中心毫摂寺を正面に幹線中心軸を設け、この中心軸から西に一本、東に三本の南北に道を通し、東西の道は五本としました。町の出入口は、北門、東門、南門の三カ所設けられ、北門は、「いわし坂」と称される急坂を昇る所にあります。 |
 |
代表的な通りは、小浜御坊の前の通りである倉橋町と、町の入口、東から通じる東西道の市場町です。倉橋町は、つし二階建塗り屋造りの町家が並び、本屋根の棟高は少しづつ異なるが軒高はほとんど同じで、間口・規模型式の似かよった町屋群の連続が中世の町並みを今に伝えています。（阪神淡路大震災で多くの民家を失ったのが残念です）
★近世に入り宿場町としての機能を充足する為に、馬借宿人などの駅業などが盛んになり、宿屋、商家などが軒を並べ、天領であるので代官所もあり、本陣、脇本陣も設置されました。代表的な町屋に菊屋、山中家、井川家（菊仁）等が現存します。
山中家は、戦国時代の武将、山中鹿之介を祖とする、鴻池（伊丹）山中家初代新右衛門の長男新兵衛が慶長十九年（１６１４）小浜に分家して酒造業を始めました。現在、屋敷の一部を公開し、小浜宿資料館となっています。 |
上の写真は宝塚歌劇場と花の道
右の画は増田史朗
スケッチした場所
|
 |
|
