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世界文化遺産
登録の村

 

 

 

五箇山
平村相倉/菅沼)

 

スケッチした場所

画:増田史朗

 

  交 通  車 東海・東海・北陸自動道 五箇山ICより、5分
JR 北陸本線、高岡駅よりバスで2時間。
所在地  富山県 南砺市菅沼および富山県 南砺市 相倉

富山県と岐阜県の県境に白山連峰から続く峰々に抱かれた深い山間のブナの林の中にひっそりと建ち並ぶ合掌づくりの家々があります。この付近の3ケ所の茅葺き民家の村が、住民が日常生活を営んでいる民家群としては世界で最初に世界文化遺産に登録されました(平成7年)。登録されている集落は、東海・北陸自動道の五箇山インターチェンジ近くの菅沼地区とそこから156号線を東に約6kmのところにある相倉地区、そして岐阜県の白川郷の3ヶ所を含む一帯です。今では高速自動車道の開通によって便利な場所となりましたが、この付近はその昔、木曽義仲の軍に“くりから峠の戦い”で破れた平家の人々が落ちた処から平村と呼ばれていました。現在も多くの民謡や伝説が伝承されている民謡の宝庫です。中でも“平家まつり麦屋踊り”は、秋の収穫祭りとして有名です。

●合掌造りはその名の通り、左右の掌を合わせている形に似ているからこの名称となったといわれています。厳しい自然の中に平穏な生活を、祈るような人々の気持ちが住まいにも込められているようで、それでいて大きな茅葺き屋根は、天に向かって堂々と自らの存在を、主張しているようでもあります。
茅葺き屋根の家は、外見上は3階建てのように見えますが、実は平家建てなのです。屋根裏をアマ・ソラアマといって、2層、3層に養蚕飼育の場所として活用しています。屋根裏には一本の束柱もありませんが強風や豪雪に耐える構造となっています。長い経験が厳しい自然とくらしに合致する独特の構造をあみ出しました。まさに日本の誇る世界の文化遺産です。

中でも国の重要文化財に指定され公開している村上家は、大規模の農家で、4重建て葺、間口三十五尺二寸、奥行六十七尺五寸あります。

●ドイツの建築家ブルーノ・タウト氏は、この地の合掌集落を訪れ、その構造を詳細に調査・分折し、著書「日本美の再発見」に「理論的であり日本独特のもので、屋根の三角結合や巨大な筋違い材によって、耐風耐震に強化されている…」として世界に紹介しました。
特に注目すべき工法は、「ハネガイ」と「チョンナバリ」です。
「ハネガイ」は、筋違いを弓なりに曲げて入れることで、復元しようとする仕掛けです。このことは強風などの外力に対し、事前に反発する力を内存させる工夫です。「チョンナバリ」は、傾斜地で成長し積雪のため、下部が曲がった太い広葉樹を用いた梁材で、端部が柱の軸方向に向かっていることで、水平梁に比べ曲げモーメントは小さくなります。さらに合掌造りは大型建築であり、棟高が高く風圧を受けやすいので、チョンナバリを使用すれば、棟高を低くおさえることができます。千年以上も前から、構造力学的に優れた住宅が建てられていたことに敬服せずにはおれません。そして、この住宅に使われている資材は、この村で入手出来る素材で造られ、自然と共に人も住まいも生き続けているところに根源的な美しさがあるのではないでしょうか。


ハネガイ


屋根裏の養蚕飼育場


チョンナバリ